hibana

憂鬱な昼下がりの布団の中から、愛を込めて。

 

どこかで何かの人生の終え方をした人が生前聴いていたのは大森靖子だったらしく、「そんなのを聴いているから死にたくなるんだ」とか「ああいうのは未成年には刺激が強すぎるからこんなことになった」とか頓珍漢なツイートをたくさん見かけた。そんなのはほんと皆目検討違いで、まあそんなの今となってはどうなのかわかんないしだいたい最初から最後までわたしはその人とは他人でしかないからこんなこと言ってる他人が沸くことすらその人はきっと不本意で嫌で嫌で仕方がないだろうけれど、その人は、大森靖子が居てくれたから耐えられた瞬間がいくつもあったと思うよ、分からないけど。たぶん、靖子ちゃんがなんとか引き延ばしてくれてた部分があると思う。その人にというか別にその人についての話ってわけじゃなく、わたしにというかわたしたちに、靖子ちゃんの音楽があって良かったと思った。それがなかったらとっくに耐えられるわけないようなこんな世の中で、わたしたちにとって大森靖子の音楽だけが光で救いで柔らかくて暖かくて美しくて、音楽を聴いたとて結局現実はどうにもなりやしないんだけど、どうにかとどまる理由になる夜がいくつもあったし、いくつもあると思う。人様の人生についてわたしは何かを発する立場にないのでわざわざここでそんな話はしないけれど、大森靖子が居てくれてよかった。それだけは強く言える。