hibana

憂鬱な昼下がりの布団の中から、愛を込めて。

とほうにくれる

 

あなたみたいにうまく愛されて、うまく不調をアピールできて、呑気で、すこしの図太さと無神経さを持ち合わせている人間になりたかった。いつまでも憶測の精神障害に酔っていたかった。善良な人の優しさを鵜呑みにして溺れていたかった。

わたしは診断や薬やカウンセリングを免罪符にできないから全部あげたい。全部代わってほしい。こんな風に自分のことがどうしようもなく惨めになって泣いてしまう夜なんて要らない。

 


不幸をステータスにして泣いてるあいつと同じにしないで、裏垢でもなんでもないアカウントでおおっぴらにつらい死にたいと騒ぐあいつと同じにしないで、自分を正当化したいあいつと同じにしないで、わたしの わたしだけの憂鬱を、他のものと引っくるめて見るのはやめて。あいつとわたしは同じなんかじゃないって頼むから言って。嘘でもいいから、わたしが泣いたり笑ったりすることには、きちんと意味と価値と重量と絶望があるって言って。

って、誰でもない誰かに聞いて欲しかった言葉を全部飲み込んで 布団の中で号泣した。

くるしいとくやしいを両腕で抱きしめて全身で痛みを味わうことを何度繰り返せば、憂鬱と仲良くなれるんだろう。

 

 

 

 

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